
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
「……っ……っ……」
小さく嗚咽する声がする。
宥めるように、その小さな背中をゆっくり擦る。
小刻みに震える、白く柔らかなうなじに顔を埋め、その香りを胸一杯にすいこんだ。
柔らかな茶色の髪。
この香り。
この温もり。
幻じゃない。
この腕のなかにいるのは……まぎれもない。
サトコ様。
おずおずとまわされた手が、俺の背中を抱く。
俺はその存在を確かめるように、もう一度ギュッと抱き締めた。
掠れた声が胸から聞こえる。
「……ミヤ……?」
「……はい」
「ほんとに?」
「はい」
「……ほんとにほんと?」
「あなたこそ……ほんとにサトコ様ですか」
「……ったりまえじゃん……」
くすりと笑った気配とともに、涙に濡れた瞳が俺を見上げた。
長い睫毛がキラキラして。
目尻から幾重にも涙が溢れてきてる。
俺はその目に唇を押し当てて、涙を少し舐めてから。
……彼女の薄く開いた唇に、自分のを重ねた。
