
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
夢をみてるんじゃないか、と、そう……思った。
だって……ここはどこだ?
ニノ国だ。
俺は暇をもらって、この国にきてて。
突然、俺に父さんが現れて。
お前は王子だ、と、告げられて、今この城にいる。
この現状を伝えたいのに、大の国に文を書くことも許されず、悶々と1ヶ月ほど暮らしてる。
だから、俺の居場所なんて誰も知らないはずだったのに。
「……ミ…………ヤ?」
ステンドグラスを背にしてるあなたが……信じられないといった……小さな小さな声をあげた。
光が降り注ぐ。
神々しいまでに輝く光の絵画のなかに、佇むあなたの表情が、いっきにクリアに視界に入った。
「サトコ……様?」
俺の声に、呆然とした顔がくしゃりと歪んだのがわかった。
あ……泣く……!
そう思った俺は、階段をかけあがって、その細い体を両腕で抱き止め、思い切り抱き締めた。
