
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
Satoko
朝、目覚めると枕元に新しい服がおいてあった。
着替えにとうぞ、とご丁寧に手紙つき。
広げてみると、パステルブルーのそれは、着丈も長めで超俺好みだった。
昨日の服は汚れまくりだったから助かった。
寝間着がわりに、と借りた、薄いレースのキャミソールを脱ぎ捨てる。
ワンピースを身につけ、姿見で確認してから、隣のジュンの部屋を静かにノックした。
体調はどうだろう。
夜中は、傷は痛まなかっただろうか。
はい、と小さな返事とともに扉があき、なかからショウが現れて、俺は驚いた。
「あれ……」
昨晩、俺が休むときはいなかったはず。
ショウは、そんな俺の顔を見て、ふふ、と頷いた。
「今朝早く、こちらについたんです」
柔らかな声で、中へ誘われ、俺はなんだかホッとした。
ジュンが負傷してるなかで、ショウの存在はとても心強く思えて。
彼の話を聞きながら、俺は安心している自分を自覚してた。
「フウマはしばらくあそこで我々の帰りを待つといっています。ジュンがある程度回復したら、戻りましょうね」
「……はい」
守られる心地よさを覚えてしまった精神は、ショウの穏やかな雰囲気にたちまちすがっていきそうになる。
……ダメだよね。
こいつらに頼ってばかりじゃ。
俺はそっと拳を握り、自分を叱咤しなおした。
ショウの話だと、ジュンも先ほど目覚めたばかりという。
薬のせいか、少しぼんやりしてるって。
静かに近寄る俺たちにはまるで気づいてないみたい。
ぼーっと窓の外を見てるジュンの横顔は、とてつもなく美しくみえた。
触れたら消えてしまいそうな、そんな表情。
「おはよう……ジュン」
いつもの彼に戻ってほしくて、そっと声をかけたら、彼の目にみるみる力がもどった。
「……おはようございます」
「よく眠れた?まだ痛む?」
「大丈夫です……ご心配なく」
にこりとして大きな目を細めるジュンに、不覚にもドキリとした。
