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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


Miya



なんだか眠れなくて、ショウリに少しきつめの酒を頼んだ。

すると、


「私も飲むー」


ホットワインのグラスを二つ持ったカエラが現れたので、俺は苦笑してしまった。

無邪気に部屋に入ってくるカエラを迎えつつ、


「あんまり、夜に男の部屋を訪れない方がいいんじゃないんですか」


そう言うと、


「え、でも、私たち従兄じゃん」


何が悪いの?と、一蹴するカエラに、そのまま苦言を吐く気も失せた。

差し出された片方のグラスを受け取った。


「はい、どーぞ」

「どうも……」


カンと、静かにグラスをあわせ、口をつける。

香りといい、口当たりといい、上質なものであることが分かるそれは、ふわりと心地よい気分にさせてくれる。


「はー。おいし……」


ニッコリ笑うカエラは、純粋に可愛らしいなと思った。
この天真爛漫さは、サトコ様に引けをとらない。

年齢をきいたらお二人とも同じ年だった。

俺は年下に弱いのかな……と、思って思わず微笑んだら、カエラもニコーッと笑った。


「やっぱ、カズって男前ね。笑った方が絶対にいいよ」

「……そうですか」

「でないと、根暗にみえる」

「……そうですか」


淡々と返す俺に、カエラは、キャハッと笑う。


従兄か……


「陛下は……俺の母さんを認めてくださったんですか」


ぽつりと問うと、カエラは困ったような表情になった。

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