
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
てめーは、怪我人だろうがよっ!と突っ込みたくなるような馬鹿力が、俺の動きを封じる。
熱い舌が俺の舌を絡めとり、脳がじんと痺れた。
突き飛ばしたくても、相手は怪我人だから無茶もできなくて。
「……ふっ……んんっ」
やっ……ちょっと待て!!
思わず声が鼻からぬけた。
そしてそんな自分にひいた。
だけど、こんな巧みな舌の動きは初めてで。
ミヤのキスもたいがいエロいけど。
こいつのは、やばい……。
体の奥が、欲望という名の熱に焼かれそうになり、眉根をよせ必死に耐えた。
くそっ……エロ王子……!
ダメだ。ミヤ以外の男に感じちゃダメだ!
ほんとに、どこにこんな力がというようにロックされた俺の頭は、ジュンに口内のすみずみまで食べられるまで離されることはなかった。
「……はぁ……はぁ」
「はぁ……」
やがて、チュッと音をたて、離された唇が、糸でつながるのを見て目眩がした。
生々しい……。
お互いの顔を見つめ、沈黙。
俺の吐息だけが、響く。
赤く色づいたジュンの唇が、艶かしく光ってる。
きっと、俺のもそんな色。
「……怪我していて良かった……そうじゃなきゃ、俺はきっと……」
ジュンが低く呟くから、俺は震える指で唇を拭い、はっと笑った。
その言葉の続きを聞きたくなくて、妙な空気を一新したくて、わざと大きな声で悪ぶった。
「バカか。怪我してなけりゃ、おまえとキスしてねーよ」
「……それもそうですね……」
「……もう。これっきりだかんな」
念押しして、俺は身を起こした。
体が火照りかけてるのがわかって、あえてジュンの瞳から目をそらした。
こんな気分になってしまった自分にびっくりして。
やってしまった自分の行動にびっくりして。
「医者よんでくる」
今度こそ逃げるように部屋を飛び出した。
