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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


「額に……?」


乾いた口を動かして問えば、ジュンは冗談を、と笑った。


「怪我してるので……包帯の上からは嫌だな」


だよね。


ジュンは試すような顔で、俺を見つめる。


ミヤがいなくて。
ショウもいなくて。
ジュンの怪我は俺のせいで。


こんなに三拍子揃ったチャンスなんて、ジュンにとっては他にはないのだろう。
そして、俺には拒否権は与えられてはいるものの、拒否しづらい状況にあることもまた真実。


俺が困惑してるのをみてとり、ジュンはその美しい唇に笑みをのせ、目を閉じた。

さあ、どうぞって言わんばかりだ。


……そこにしろって?


俺から??!


……途方にくれてしまう。


何秒かの沈黙が、重い。


だけど、俺はジュンに元気を出してほしいと思った。
お礼がしたいと思った。
そして、どこかで、ショウとしてしまったなら、ジュンにもしなきゃ不公平だな、なんてバカみたいなことまで思ってた。


減るもんじゃねーしな……。
ええい、ままよ!


俺は、のびあがり、ジュンの形のいい唇に、自分のを重ねた。


そっと離せば、ジュンの瞳が驚きに見開かれてる。


「……なんだよ」


ぶすっと問えば、


「……いや、ほんとにしてくださるなんて」


なんていうから、笑ってしまった。


「お前がしろっていったんだろ」

「え……姫、も一回!」

「ダメ」


一回って約束だったろ。
そう言って体を離そうとしたら、ジュンが起き上がろうとしたのか、苦痛に顔を歪めた。


「……あ、いって……っ!!」

「バカ、大丈夫……」


あわてて体を支えようと動きをとめたら、ジュンの左手に引っ張られ、頭を抱き込まれた。


そうして、もう一度ジュンの唇が俺のにあわさる。
は?と思った隙に、舌まで差し込まれ、頭がパニックになった。

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