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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


じっと、ジュンの顔をみつめた。

考えてみれば、出会ってからこっち、これほどまでに顔をまじまじと見たことがなかったけれど。

……こいつは、つくづく整った顔だな、と改めて思った。


ベッドに頬杖をついて、思わず見とれてしまうほど。


だって、まつげは、多分俺より長い。バサバサだ。
肌の色も、きっと下手すりゃ俺より白い。つるつるだ。

鼻は高いし、唇は肉厚でセクシーだし。

背が高くて、優しくて。


こんな男前な王子が、俺のことを好きだ、という。
嘘だろ?って思う。

周りが絶対ほっとかないだろうし、そのへんの国の王女たちは、綺麗どころが揃ってるはずだ。

その気になりゃよりどりみどりだ。

なのに俺?

ミヤ以外考えれないって、宣言してんのに、俺?

想いはかなわないんだぞ。
俺が振り返ることは、絶対ないんだぞ?

しかも、こんな俺を助けるために、危険を省みず飛び出してくるなんて。



「……しょうがないやつだな……お前」


思わず、声に出したら、


「…………なんだ。愛の言葉くらい囁いてくださるのかと思ったのに……」


かすれた声で返事がかえってきたから、飛び上がった。


「ジュ……ン?」

「……はい」


吸い込まれるような大きな瞳がぼんやりひらき、俺の顔を捉えたのがわかった。
ふっと微笑んだ口元に、胸がいっぱいになる。


「ごめん……ごめんな。痛い思いさせて」


謝ると、ジュンは小さく首を振った。
そして、心配そうに、


「姫は……お怪我はないですか……?」


というものだから、また泣きそうになる。
俺のことなんかどうだっていいんだよ……!


食いつくように、俺は訴えた。


「ないよ。全然。お前が助けてくれた」

「……よかった……」


ほっとした顔になるジュンに、俺は今度こそ泣けてきた。


バカだ……お前……!


「……バカだよ、お前……俺なんか……」


ポロポロでてきた涙を、ジュンの指がそっと拭う。


「そんなこと言わないで……」

「……ごめん……」

「……あやまらないで」

「ごめん……」


頬にふれるジュンの手のひらに、顔をすりよせて俺は、機械仕掛けの人形のように、ひたすら謝った。
いろんな要素に。
謝らずにはいられなかった。

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