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キラキラ

第31章 イチオクノ愛


ぶっちゃけ。

にのとの同棲生活(?)は、楽しかった。

俺が何でも食べれると分かってからは、自分のかじってるクリームパンを半分こしてくれたり、ラーメンの上にのってる、なるとを食べさせてくれたり。

自分のことは何一つしないくせに、トイレも、玄関にダンボールで簡易的なものをつくってくれるし、意外と世話焼きな面も発見できた。


さらに、にのの仕事も、ちょうど映画の撮影が終わったタイミングだからか、さして忙しくもなく、雑誌のスチール撮りや、CM録り程度。

相反して、相葉雅紀のスケジュールは、きちきちの時期だったから、にのと会うこともできないようで、犬の俺は、1日中、にのとベッタリすごすことができていた。






うーん……最高。


にのの家で決めた俺の定位置に寝そべる。

早く人間に戻らなくては、と思ってはいるのに、犬になりきってしまっている自分が我ながら怖い。
加えて、偽物からのコンタクトがあまりないせいもあるだろう。
俺は油断しまくりで、にのとの生活を楽しんでいた。



「ハルオー今日は風呂入ろう」


にのが、壁のパネルにあるお湯はりスイッチを押して、俺に声をかけた。
俺は、すくっと立ちあがり頷いた。


うんうん。入る!


人間じゃないから、毎日入る必要はない。

でも、そろそろシャワーだけでも浴びたいと思っていたから、ちょー嬉しいな。

リーダーとあのとき風呂に入って以来だもんなぁ。


俺は、Tシャツを脱ぎ捨て、上半身裸になったにのを見つめ、ワクワクしてお座りして待っていた。

白いきめ細かな肌をさらして、寝室に行ったり来たりして、着替えを用意するにの。
あの肌は触れると柔らかくて、キスするとぴくりと跳ねて、殊更に感度がよい。


……そういえば、最後にこいつを抱いたのは、いつだったかな、と考えた。


真っ白な肌を桃色に染めて、恥ずかしそうに吐息をつくにのは、最高に可愛いのだ。
……誰にも見せたくない、俺だけが知ってるにのの素顔。


……て。
あいつ。
あの偽物は、にのもいずれ抱く気でいるのだろうか。


ぜーったいゆるさーん!!!


「なにコーフンしてんの?」


含み笑いながらにのが後ろから俺を抱き上げた。
知らないうちにスッポンポンになってるにのに、思わず鼻血がでそうになった。

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