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キラキラ

第31章 イチオクノ愛


基本、にのと過ごす夜は、たいがい俺が襲っちゃって、なしくずしに朝まで二人でベッドで寝てしまうことが大半だ。

だから、にのの一人での夜の過ごし方ってのを見るのは初めて。


……話には聞いていたが、ほんとにゲーム漬けなんだな。



あきれるのを通り越して笑っちゃうよ。


デリバリーのラーメンを食べたり、ゲームをしたりするにのを、彼の胡座の中で観察していたけれど、俺は途中でどうにも眠たくなり、目を閉じた。
にのの胡座の中はあったかくて、まるで守ってもらえてるかのよう。
時々背中を擦ってもらえるのも心地よい。


ふわふわと現実と夢の間をいったり来たりして。

ふっと、目が覚めたら、まだゲームをしてるにのに仰天しちまった。


……おまえ、いつまでやる気?!


壁の時計に目を走らせれば、たいがい深い時間。

だけど、目が爛々としてるにのは、なんだかぶついいながらオンラインゲームの真っ最中みたい。

明日のスケジュールは知らないけど、これでよく起きれるな。

俺が、ペロッとにののむき出しの膝を舐めたら、にのは、目を落とし、起きたのか?と、言った。


そろそろ寝たら?


目で訴えた。


すると、それが伝わったのか、にのは大きなあくびをひとつして、丸っこい手で目を擦った。
そして時計に目をやり、


「そろそろ寝よっかな……」


小さく呟いた。


うんうん。絶対寝た方がいいよ!
目が真っ赤じゃん。


俺がうんうんと頷いたら、にのはふわりと笑い俺を抱き上げた。そしてそのままコロンと床に寝そべった。



は?!


あろうことか、そのまま目を閉じて、寝る体制のにの。
お行儀悪く足をもぞもぞ動かして、ソファーのすみにあるブランケットを引き上げて……。


まさかとは思うけどこのまま寝る気かよ?!


にのは、ぎゅっと俺を抱き締めて、ブランケットにくるまると、すぐにくーっと寝息をたて始めた。


いやいやいや。
うれしいけど。うれしいシチュエーションだけど。
お前、腰悪いんだろうがよ?
こんな寝方してるから、余計に悪くなるんだろ。


ほんとに自分の事に無頓着とゆーか……もう!!


俺は、にのを起こそうと、ペロペロにのの頬を舐めた。


起きて。
ためだよ。ベッド行こう。


「……ん……まーくん……」


微かな声。


そーだよ、俺だよ。
にの。

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