
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
店の奥で ジンジンと痛む指先を見る事が出来ず、水で洗う事も出来ず、ひたすら痛みに耐えていた。
とにかく消毒しないと…
「 瑠璃さん、来てください!」
「 はいはーい、葉月ちゃん? なんだそこに… きゃああ!ちょっと~ どうしたのっ その手の血はなにーっ!救急箱、 救急箱~ 」
瑠璃さん、落ち着いて探して~
瑠璃が慌てて救急箱を探すが 慌てすぎて場違いなところを探している。
ああ、そっちじゃないのに…
「 瑠璃っ 怪我したってほんとか!」
え… 誰!? って、怪我したのは私っ
突然現れた声に振り向くと、背の高い男性が慌ててレジの方にいた。
瑠璃って、瑠璃さんの知り合い?
「 瑠璃っ!」
「 あら、大己じゃない、来てたんだ?」
やっぱり知り合いなんだ… あ、痛いぃ
「 怪我は? 手見せろっ」
「 違うわよ!私じゃなくて、葉月ちゃんよ、葉月ちゃん!」
「 葉月ちゃん?」
私は名前を連呼され 思わず名乗るように手を上げて二人の元に歩み寄る。
「 あの、私が葉月です… お騒がせしました。瑠璃さん救急箱は?」
「 会ったけど消毒とかないのよ~ 大己はなんでここに?」
ほんと誰なんだろ…
「 ああ、オープンだから様子とヘルプにさ 」
え、じゃあ セラフの人…
