
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
開店早々、隣のセラフは女性客の高い声が聞こえ、うちの店の前にまで立ち並び覗き見ている。
「 葉月ちゃん、暇ねぇ… 当分 こんな感じかしらね~ つまんないわ 」
「 そうですね、仕方ないですよ。だってセラフって有名なんですよね?イケメン美容師って聞きましたよ 」
さっきの人だって かなりカッコ良かったし。
「 セラフはねぇ 技術はもちろんだけど、イケメンと美女で成り立ってるとこよ。葉月ちゃん、これはチャンスよ!」
また… やな予感がする。
掃除でもしようかな~
「 葉月ちゃん!恋の相談なら何でも言ってね?なーんでもよ!ん、ふふ… 楽しみね~ 」
はぁ~ 瑠璃さんに相談したら大変なことになりそうだから怖いよ。
好きな人もいないし…
今は仕事、仕事!
私はミニホウキを手にして 店先にある、小さな鉢花の葉と 花弁の手入れ、こぼれ落ちた土などを取り除いていた。
ちょうど、鉢を持ち上げた時、落としそうになり慌てて支え直したが 固形肥料が転げ落ちた。
