
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
店に戻ると、瑠璃が特価用の花束を作っていた。
「 おかえり、葉月ちゃん。セラフの子、イケメン揃いだったでしょ~ 」
「 いえ、誰がセラフの人かわからなくて… 声をかけてくれた人に渡しました 」
そう言った私に瑠璃は口をパカンと開けていた。
「 葉月ちゃん… おかしな子ねぇ 違う人だったらどうするの? 」
あ、確かに! でも さっきの人、カッコ良かったし 違ったかなぁ…
デパートが開店時間となり、オープン初日で忙しくなるセラフの事もあり、私は急いで蘭があるか確かめに行った。
あるかな、私が渡した蘭…
「 よう、さっきの花屋さん 」
この人!
「 あの、やっぱりセラフの方だったんですね!良かったぁ~ 私、間違えたかと思って… では、おじゃましました 」
「 コラ、待てよ。あんた、名前は?」
「 え… 花屋ルー 」
「 違う!あんたの 名前だ 」
え… 私?店の名前聞いたんじゃなかったんだ…
私は自分の名前を言おうとした時、店から瑠璃が顔を出して私を呼んだ。
「 葉月ちゃ~ん!」
あ、瑠璃さんっ
「 すいませ… 」
「 葉月? 葉月っていうの? 」
「 はい、宮河 葉月です。すみません、失礼します!」
なんだろ… 顔が険しくなってなかった?
