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オオカミさんの恋毒

第1章 出会いと挨拶

時計を見ると6時を指している。

その瞬間、ドキドキと胸の奥で重い緊張がうごめく。




「 理央くん、もし 付き合ってる人の元彼女が現れたらどうする? やっぱりトキメク?」

「 ん~ 別れた時の状況にもよると思うけど… なんで?」




別れた時の状況……

臣くんと亜弓さんはどうだったのかな?




「 別になんでもないよ。先に上がるけどごめんね 」

「 いいよ、もう暇になる時間だしね。また、明日ね 」



ありがと、理央くん。




私は鞄を手にして理央に手を振り 店横の玄関口から外に出た。

駐車場を見回すと赤い車のところに亜弓が立っているのがわかって 私は近づく。



亜弓さん… やっぱりキレイな人。




私の様子を店から見ていた理央は、私が亜弓と歩いて喫茶店に向かって歩いていくのを見ていた。

私は亜弓の一歩後ろを歩きついていく。




「 ここ入りましょ 」




私は頷いて 一緒に喫茶店に入った。

一番奥に座りたいと店員に言う亜弓。

重い空気を感じる中で アイスティを頼み、先に口を開いたのは亜弓だった。




「 名前は?私は 金森 亜弓です。昨日… 臣といたよね、付き合ってるの?」

「 あ、はい…付き合ってます。 あ、私は宮河 葉月です… 」

「 いつから ?」




なんか、尋問されてるみたい…



「 昨日、です 」



亜弓は私の言葉に驚いていた。

「 昨日なの? ァハハハッ、やだもう~ だったら話は早いかな… 」



え…… 早い?



「 臣と別れてくれない?」



「 は?」



なに、言ってるの…



「 臣と別れて 」



まさか、本気で言ってる?


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