
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
シュシュがないことに気づいても どうすることもできず そのまま シャワーを浴びる。
シャワーを浴びていると1日にあったことを思い出す。
臣が頭によぎると胸がキュッとなる。
こんなふうに突然 恋するもの?
自問自答は何にでも繋がり答はなかなか出せそうにない。
浴びるだけ浴びて出ると、携帯が鳴っている事に気づいて 慌てて部屋に行くが切れてしまった。
誰だったかと見てみると 臣からだった。
私はすぐさま電話をかけた。
『 葉月?』
「 うん、シャワー浴びてて 出ようとしたけど切れて… 」
なんか緊張するっ
『 お前のシュシュ、俺が持ってる 』
「 うん、知ってる 」
亜弓さんには会ったの?
『 明日 出勤か? 』
「 出勤だよ。シュシュ持って来てくれる?」
『 気が向いたらな 』
なんか、臣くん… 元気ない?
「 今… あ、なんでもない 」
聞けないよ。
『 ちゃんと自分ん家にいるよ、早く寝ろ。明日な 』
私が うんと言うと おやすみと言って切れた電話。
複雑だった。
気になるのに聞けない。
聞いてはいけないようにも思えた。
