
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
デパート開店15分前、隣のセラフにはたくさんの花で店が華やいでいた。
オープン前にも関わらず他店舗から覗く人や、女性店員は色めきあっているのがわかる。
そんな中で私は一人、開店準備に追われていた。
「 葉月ちゃ~ん、レジお願いね?はい、お金 」
もう 瑠璃さんてば どこ行ってたんだろ?
「 はい、お預かりします。瑠璃さん どこ行ってたですか?」
パートの山科さん休みなんだから忙しいのに…
「 葉月ちゃんたら、この賑わい見てよ!わかんないの?」
賑わい… うちの店は静かだけどなぁ
「 んもう、この子はしょうがないわねぇ 挨拶がてら お隣さんに この蘭渡してきて。ほら、行ってらっしゃい! 」
「 えっ! 私がですか?」
「 葉月ちゃんが行かなくてどうするの?お隣さんはセラフって言うのよ、意味わかる? 今の葉月ちゃんには 幸運の場よ~ 開店しちゃうから、早くっ 」
瑠璃さん、めんどくさいんだ。
挨拶がてらって、いつも私に行かせるんだから!
あ、そういえばセラフってなんて意味だっけ?
私は瑠璃に言われた大きな蘭を抱え、隣へ顔をだす。
