
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
臣が頼んでくれたエビに私は喜び、小皿に取ろうとした。
「 子供だな、エビ ガキ 」
「 な… 」
なんですって!
「 好きで何が悪いの!だいたい、臣さんが私のエビ取ったからたべれなかったんだもん! 今度は食べるからっ 」
ぶっ… と笑いだす臣に未夢と京弥まで笑いだした。
「 葉月ってば子供~ エビでそこまでムキになんなくてもとらないから~ 」
「 葉月ちゃん可愛いーっ!」
未夢ちゃん、京弥さんまで…
「 葉月、悪い。エビ頼んでなかった… 次からはエビづくしにしてやる 」
「 圭吾さん… 」
圭吾の言葉に未夢と京弥はさらに笑う。
エビを取りながら臣を見ると、嫌みな顔して舌を出して私を見る。
なによ、あかんべー するなんて それこそガキじゃないのよっ!
「 独り占めして食っていいぞ 」
あー!ムカつく~
臣さん 意地悪っ
なぜか笑いのもとになってしまった私は 気にせずエビを堪能した。
「 ねぇ 葉月はさ、彼氏作らないの?可愛いのにもったいない 」
「 未夢ちゃ… 未夢こそ 作らないの?」
そんなやり取りに思い出すのは 臣に言われた言葉。
この食事が終るまでに返事しないといけないが、頭が回らない。
私は頭を冷やそうとお手 洗いに立つ。
トイレで少しぼんやりしていると、手洗い場から聞こえる他のお客の声。
