
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
臣からの まさかの申し出に頭の中で何かがグルグルとまわり、答えになる言葉を探すも見つからない。
固まる私に臣は ふっと笑みを見せて言う。
「 ま、返事は待つよ。猶予は 飯会が終わるまでな 」
「 そんなぁ 数時間じゃ無理です!」
今 いっぱいいっぱいなのに…
うんって言ったらどうなるの?
やだって断ったら… なんか怖い…
会ったばかりで ろくに会話もしてない私と臣。
知っているのは名前だけ。
臣は車を走らせる。
私には臣に対してドキドキした事実はあるが、いきなりの臣の言葉に戸惑う。
ドキドキが恋の兆しならば私は これを無視して後悔しないだろうか。
付き合って見なければ臣を知ることはない。
悩み考えていると、いつの間にか 中華料理店に着いた。
「 約2時間か… 悩んで損するか、決めて悩むか どっち選ぶ? 行くぞ 」
2時間悩めるのかな…
臣さんは私の何がいいの?
車を降りて店に入ると、私は臣の後ろからついていく。
背、高いな…
「 臣!おっそいよ~ あれ、一人?」
あ、私が顔出さなきゃ!
私は臣の後ろから顔をひょっこりと出した。
「 お待たせしました、すみません 」
「 葉月!やだ、なにその登場 可愛いっ」
未夢ちゃん… 可愛いって顔出しただけだよ。
私は未夢にすっかり気に入られてた。
その時、未夢の横でマジマジと私をじっと見る人がいた。
