
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
瑠璃の勝手な暴走をよそに、私はいたってマイペースで仕事をこなしていく。
動くと耳に聞こえるシュシュにあるパールチャームに 嬉しくなる。
なんの変鉄もないチャームにさえ 嬉しさで気分が上がる。
店も閉店時間が近づき、私は ふと思い出したことがあった。
そういえば臣さん…
「 瑠璃さん、臣さんから聞いたんですけど、セラフと一緒に食事に行くってほんと?」
「 ほんとよ、楽しみね~ 」
もっと早く教えてほしかった…
でも、この瑠璃の企てが私の気持ちを一変させることになるとは思いもしない。
セラフのオープン初日で普段より賑やかな店回りにも 閉店となると静かな終わりを迎える。
「 お疲れ様でした~ 」
裏にいる瑠璃に声をかけて 店を出ようとした時、セラフの面々が店の前で私と瑠美を待っていた。
う、わぁ… キレイすぎな顔ばっかり。
どうやって帰ろうかな…
「 葉月、お疲れさま。ご飯行こ!」
「 え、でも… 」
私の腕に絡む未夢の腕が離さない。
諦めの悪い私は トイレに行くからと一人先に行くが、わざと間を開けて そっと出てエレベーター前で 早く早くと待っていると、背後に感じる違和感。
突然 両肩を掴まれた私はなんとなく振り向いてはいけない気がして固まった。
どうしよう… この感じ 誰かわかる…
「 ……臣、さん?」
「 正解 」
やっぱり…
「 行くぞ、みんな待ってる 」
「 はい… 」
ほんとに行くんだね…
