
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
私はムスッとしながらエビのないグラタンを食べた。
寂しいグラタンだったな…
「 夜、お前も来るんだろ?」
「 は? なにがですか?」
なんの話…
「 うちの店と 花屋とで飯行くんだよ、聞いてないの?」
なにそれ、いつ決まったの!?
「 知らないです… それ ほんとですか?」
「 来いよ、お前 」
そういえばさっきから お前、お前って…
ちょっと やだ。
「 臣さん、私 葉月です。お前はやめてください 」
「 あ、そ。お前が敬語やめて、さん付けやめたら名前で呼んでやる 」
なんでそうなるの!
勝手な人だなぁ… お店じゃ優しい顔してたくせにさ!
「 じゃあ このままでいいです 」
「 可愛くねぇガキ~ 」
ガキ!?
あ、また言った! もう、世間じゃ大人なんだからっ
「 臣さんに彼女がいない理由わかりました。大人のふりしたガキだからですね」
「 あ? ガキにガキって言われてもなぁ 他にないわけ?ないなら お前の負け 」
んん!!悔しいっ 腹立つ~
してやったりの臣は不適な笑みでいるのを見た私は、悔しさでいっぱいだ。
