
狼くんを飼いますけど…
第4章 イタズラ禁止令
志貴の喘ぎが苦しそうに聞こえてしまい、私は耳をしっかり塞ぎ何も聞かないようにした。
どれくらい時間が過ぎたか、きっと数分に違いない。
キィ、バタン…と音がして ハッとした。
終わった?
…あんなの もうやだ!
志貴を助けなきゃ 志貴の精気も性器が吸いとられて干からびちゃう!
何とかしないと…
トイレから出ると、私は目の前にある鏡に写る那緒とご対面してしまった。
「 …っ、那緒さん!?」
「 そうだけど? ふふ… 」
笑った?
トイレの壁に背をくっつけて身動き取れない私に、那緒は鏡を通して私を見るなり笑った。
不敵な笑みに背中にゾッと寒気が入る。
「 笑ちゃん… いたんだ?」
げっ バレてるっ!?
「 いいけどね~ 笑ちゃん志貴くんの喘ぎで一人で… なんてしてない?」
へ… は…? なんて、今…
志貴の喘ぎで私が一人で、何をしたと?
何にもだけど。
ちょっと、これって… 嘘でしょ…
「 そんな事しません!一人でなんかしたことないですっ 」
するわけないじゃん!
指には爪って凶器がついてんのにっ
「 そ… 笑ちゃん志貴くんには手を出さないでね?」
はい!?
「 志貴くんは私がもういただいてるし、しばらくは味わいたいの 」
い、意味わかんない…
味わいたいのって、肉食すぎっ
「 あの、志貴くんきっと平気じゃないと思うんでやめた方が… 」
「 バカねぇ 志貴くんの喘ぐ声聞いたんでしょ? 私がしてたからよ、わかる?やめるわけないでしょ、私と志貴くんは お互いで感じたの 」
「 でも! でも 那緒さんが志貴くんのを… その、えと… 口で… 」
おしゃぶりしてたでしょって言えないよ~
「 私、してあげるのが好きなの。私の中に入れる男なんていないわ 」
え~ どういう意味?
ちゃんと エッチしたいわけじゃないの?
那緒さんがするだけ… って事?
「 とにかく、志貴は私のよ。でも、1度くらいなら 味見 許すけど? 」
味見 許すけどって…
理解できないんだけど!!
そんなの理解できないっ だって、まるで…
共有?
私が飼ったはずなのに、那緒さんの志貴になってる。
どうするの、私っ!
