
狼くんを飼いますけど…
第4章 イタズラ禁止令
美也の言うとおり、カラスの店員は社員の泉希意外 女ばかり。
バイトに決まった男の子も今までに何人かいかが、仕事の忙しさなどの理由で辞めてしまったと勝手に思っていた。
もしかして… 那緒さんが お手つきしちゃって 辞めてたりして?
あるかも…
志貴は今の今 バイトとして入って、30分以内で イカされた事になる。
那緒さんって…
お上手…なのかな?
いやいや、考えるな、私!
「 ねぇねぇ 笑ちゃん、那緒さん 新人くんと厨房にこもるつもりじゃない? 」
「 え~ 困る… あれ、由芽ちゃんが今日担当じゃなかった?」
「 追い出されたに決まってるじゃん!見た?くっついて教えてんだからっ まったく、何を教えてんだかっ 」
怒ってるね…
「 店長は?何にも言わないのかな 」
「 ああ、今ね サラダ菜を買い占めにスーパー行ってるから 知らないでしょ 」
そっか、だから那緒さん好きにやっちゃってるんだ…
さすが お局様。
しかも 食っちゃう… 女野獣ってわけね。
どうせなら 郁斗が食われちゃえばいいのに…
そしたら 環がプッツンして、せいせいするのに。
残念~…
「 笑ちゃん、箸あるか確認して!在庫少ないなら 今のうちに店長に連絡して買ってきてもらうから 」
「 はーい、了解です!」
在庫、在庫… 机には~ ん、補充して…
裏見てこなきゃ!
泉希に言われ、控え室とトイレの間にある倉庫に行く。
途中、厨房に目をやると由芽花の言う通り 那緒がピッタリくっついている。
野菜の切り方を教えてるのか、志貴の微妙な体の動きが目についた。
ま、いっか… 私は仕事!
志貴が嫌ならやめるだろうし…
私も追い出す気はないしね。
倉庫に入って 箸の在庫がどれだけあるか数えていると、バタンと小さく音が聞こえ振り向いた。
「 あ、志…んふっ 」
志貴がいきなり私の口を手で塞ぎ 静かにと小声で言う。
なんで小声?
「 ごめん、笑留…助けて 」
えっ!?
