
狼くんを飼いますけど…
第4章 イタズラ禁止令
那緒と志貴の密室での行為に戸惑う。
ドアのそばで聞く限り、志貴は那緒によってイカされた。
私はすぐにその場を離れ、控え室のドアを音を立てないよう開け、閉めて振り返ると出勤してきた泉希とぶつかりそうになった。
「 笑ちゃん!」
「 泉希くんっ… 」
ヤバい! 今は中に入っちゃダメ…
「 聞いたけど 珍しく男バイト入ったらしいじゃん?イケメンとかってさ~ 」
私の後ろにあるドアノブに手を伸ばす泉希に、私は瞬時に掴んだ。
絶対に入らせないっ
「 笑ちゃん?何… ど… 」
「 来て!」
「 えっ ちょっと!?」
泉希の手首を掴んだ私は控え室前にあるトイレ、しかも男子用に連れ入った。
「 ここに!」
「 笑ちゃっ… 男便所だけど? しかも個室 」
は? そんなの どうでも…
「 男便所!? やだ、間違えた… 」
なんてドジ… こんな時にドジするなんて ほんとのドジだわ。
狭いトイレの中、気になるのは那緒と志貴。
私は一緒にいる泉希に聞いてみることにした。
「 あの、泉希くんさ… 那緒さんって その… 肉食って聞いたことある?」
「 肉食… ああ、だね。肉食女野獣だな 」
そうなんだ… でも、そこまではっきり言うのはなんで?
まさか… あったりする?
「 泉希くん… もしかして那緒さんと なんかあったりした? 」
ないよね? ないよね?
「 あれか… おしゃぶりね 」
おしゃぶり?
「 されたよ、那緒さんにアレを捕って食われてイカされたな… 社員として入ったその日に 」
マジですか…
あの噂 本当の事だったんだ…
「 でも、男バイトが入ったんならヤられるな。俺は解放!」
解放って… じゃ 志貴がこれから那緒さんの捌け口になるわけ?
そんなっ…
「 ねぇ その泉希くんは全部?」
「 ん? ああ、違うよ、シャブリだけ。変わってるよな~ で、笑ちゃんは なんで俺を連れ込んだの?」
ん!? 待て待てっ 勘違いさせた?
「 あ、これは違うの!ちょっとね、控え室には… 」
「 誘った?最近 元気ないし慰めようか… 」
え… 違う、違うっ
「 違うからぁ! 」
