テキストサイズ

狼くんを飼いますけど…

第4章 イタズラ禁止令

はぁ~…

髪 自分で切ったわりに セットすると似合ってるし 様になってるんだよね。


でも美容室に行かせてあげないと…

ん~ 稼ぐしかないよね! …私が?

しばらくは私がね。



自宅を出て志貴と歩いて店まで行く。

自分からは話しかけてこない志貴。

物静かに見えて 手つきは優しく私に触れていた。

嫌でも 志貴の指の感覚、余韻を思い出してしまう。

やらしい雑念を振り切るようによそ見した。



「 …笑留! 」

「 わっ… 」



何!? ビックリ…



「 自転車をドミノさせるつもり?」

「 え… あ、ほんとだ… あはは、ごめん 」



気づけば停めてある自転車の列の真ん前にいた。

志貴が止めてくれなければ今ごろ 自転車ドミノに顔面蒼白だった。



「 ありがと、志貴くん 」

「 志貴… って呼んでほしい…ね? 」



私の顔を覗くように上から見られる視線が優しくて 甘い声に たまらず 頷く。

年下だし、いいよね。



「 俺、働いていいのかな?店長さん 許してくれるかな… 」

「 大丈夫!私がついてるし、店長 すっごくいい人なの 、でも 歳は… 」




店長ほんと優しいんだよね。



「 好きなの?」



は? え…



「 好きって、私が店長を?なんで… 」



そんな風に見える?

それだけは絶対にないけど、言い方 変だった?



「 …妬ける 」

「 え… っ!?」



んっ… 志貴!!



いきなり公衆の面前で歩きながら器用にキスしてきた志貴。



嘘でしょ、こんなとこでキス!?



夕暮れ時間、冬の季節は夜に近いくらいの暗さ。

公衆の面前であっても、夜ならドキドキが増して体が また 志貴を思い出す。



私… どうかしてる、マジで…



「 志貴、外でキスしないで、ダメ!」

「 ん~… 」



ん~ って、常識うんぬんじゃないわけね。

天然我が道、考える前に行動って感じ?

参った…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ