
狼くんを飼いますけど…
第4章 イタズラ禁止令
ハサミはあるかと聞かれて あると言って見せると、スタスタと浴室に行き 私も何となく着いていく。
志貴くん、まさか…
洗面所に立つ志貴が おもむろに髪をジャキッと切り出した。
「 志っ…!? ちょっと自分でやっちゃうの!?やめなよっ 」
「 危ないから 離れて… 」
志貴は私の心配を気にせずジャキジャキ切っていく。
見ていると どんどん短髪になっていくが、案外 アンバランスさが合っている。
「 後ろ いいかな… 切って?」
「 私!? うそ~ 本気?」
「 うん 」
うん、ってか。
楽観的だなぁ… 知らないよ、もう…
ハサミを受け取り、ブースに対して横から無理な姿勢で何とか切っていく。
これ、クセ毛かなぁ うねってる…
パーマ代いらずは助かるね。
「 出来たよ、恨まないでね 」
あ~ 髪がいっぱい服に…
シャワー入ろうかなぁ どうせ夜は仕事だし、帰りは遅いもんね。
「 志貴くん、私もシャワー浴びるね、その後 また浴びなよ、チクチクするから 」
って言ったものの…
毛だらけの志貴くんが部屋に行くと毛が落ちる、つまり掃除しなきゃになる…
ここにいると、私がシャワーに入れない…
悶々と考えていると、志貴が服を脱ぎ出した。
ちょっ… ちょっと、ちょっと、ちょっと!?
あ… 意外と筋肉の締まりいいね。
じゃなーいっ!!
違う 違ーう!!
