
狼くんを飼いますけど…
第4章 イタズラ禁止令
バイト先で無銭飲食した若いホームレスの志貴。
彼をなぜかお持ち帰りして 一緒に暮らすことにした私。
自分でも何を考えているのか わからない。
そして志貴は私を抱きしめたまま離れない。
ん~… くっつきすぎ?
身長 どれくらいかなぁ… 180はありそう?
無口だし、でも今セクハラしてるよね?
なんでか嫌じゃないけど…
一緒に暮らすことになるんだし、節度は大事よね。
「 志貴くん、もう離れていいよ?」
「 あ… 」
離れた志貴が照れるのを見て 何かを感じたが気にしないまま スーパーで買った食材を冷蔵庫に入れる。
「 ねぇ 志貴くんは今まで何してたの?」
言いたくないのか 正座してしまう。
「 じゃあ、何歳?私は20歳 」
「 19… 」
あ、そう… 私よりひとつ下なんだ。
対して変わんないじゃん。
「 タメ口でいいよ、一応 男女だから何かとルールみたいのが出来ちゃいそうだけど… 働いて住むとこ見つかるまではいていいよ 」
今のとこ不都合ないもん、いいよね。
「 笑瑠さん… 夜はいますか?」
「 タメ口でいいの、笑瑠って呼べばいい。夜は5時からさっきの店でバイトで~ 終わったら店で宴会だから帰りは深夜かなぁ 」
正座していた志貴が体育座りに変えてシュンとなる。
まさかと思うけど 夜が怖いとか?
「 志貴くん?志貴くんも店においでよ?その前に、その頭を何とかしないと… 飲食店だからね 」
美容室に行けばいいけど 給料前だからなぁ…
ん~…
「 ハサミ… ある?」
え?
