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嵐の俺と、パパの俺。

第1章 別世界へようこそ。



お腹いっぱいだ。

なかなかの量だった。


でもこれで午後からの雑誌の対談も乗り越えられそうだ。


昼食後の空き時間は、楽屋でそれぞれが自由な時間を過ごす。基本的にやることはバラバラなのだけれど、たまにニノの誘いで5人でババ抜きをしたりなんかもする。


今日は、松潤は筋トレ、相葉ちゃんはテレビ、ニノはゲーム、智くんは釣りの情報雑誌と、それぞれがそれぞれに夢中だ。


俺は昨日ZEROの仕事があったため寝不足気味、ひと眠りしようとソファに横になって目を閉じた。

















「翔くん起きて!」


体を揺すられ、うっすら目を開けると智くんの顔があった。


もう時間か。


「んー起きる起きる。次、雑誌の対談だよね?マネージャー呼びに来た?」


上半身を起こすと、怪訝な顔した智くんが目の前に突っ立っていた。


あーひさびさにソファで寝たから腰痛い。


「は?雑誌の対談?寝ぼけるのもいい加減にしてよ!いつまで寝てる気?」


あれ?午後からは雑誌の対談じゃなかったっけ?もしかして俺、スケジュール別の日と勘違いしてる?


手帳を確認しなければ、とあたりを見回した時に初めて異変に気付いた。


「あ、れ?ここ、どこ」


たしかに俺は楽屋にいた。

番組の収録やって、焼肉弁当食べて、ソファで寝たんだ。

だから楽屋から移動してないはずなのに、目の前に広がるリビング。

一体なにがどうなって


「翔くんどうしたの?とりあえず顔洗って目覚ましたほうがいいよ」


そうかこれはきっと夢だ。

じゃなきゃ目の前にいる智くんが白いフリフリのエプロンを着ているわけがない。


俺は痛む腰をおさえながら、洗面所で顔を洗った。


さあ、夢よ覚めろ!!



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