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嵐の俺と、パパの俺。

第2章 なにがどうなって






カレーに満足した智くんは、毎週月曜日は俺と忠が料理を作る日、に認定した。


忠は大喜び。

パパと料理作るの楽しい!と騒いでいた。

そんな忠を俺が風呂にいれ、智くんが添い寝して寝付かせた。


訪れた静寂のなか、俺もソファーでうとうとしていると、智くんに肩をたたかれた。



「風邪ひくよ?寝るならベッドで寝なよ?それに腰痛めちゃう」


向こうの世界では、

それ俺のセリフなんだけどね、


と、いつもソファーで寝てしまう智くんを思い出す。


「なににやにやしてんの?」


「え、にやにやしてた?」


大野さんのことを考えているときの翔さんの顔は、完全に緩みきっててはっきり言って気持ち悪いです、と言っていた向こうの世界のニノを思い出す。


しょうがないじゃんか。
無意識ってやつだし!


「してた、まあいつものことだからいいけど」


さらっと毒を吐きながら寝室へと向かった智くん。


「え?!いつも?あ、ちょ、待って!」


俺も慌てて後を追いかけた。



寝室に入ると智くんはなにやらかばんの中をガサガサと漁っていた。


どうしたのか、近づいてみると、


「はい、翔くんにプレゼント」


渡されたのは小さな袋。

「え、俺誕生日まだだけど」

「誕生日じゃなきゃプレゼント渡しちゃダメ?」

「いやそんなこと、てかむしろ嬉しいよ!ありがとう!」


思いがけない智くんからのプレゼントにテンションがあがる!

袋を開けてみると、ネックレスが入っていた。


「えっこれめっちゃおしゃれじゃん!しかもこの店のやつ、結構高かったんじゃ?」


「値段は関係ないよ。翔くんに似合うかなって思って買ったんだ、名前彫ってもらって今日届いた」


ネックレスをよく見てみると、俺の名前がローマ字で彫られていた。


「ありがとう!すごい嬉しいよ!智くんからのプレゼント、一生大切にする!」


おおげさだなぁって笑う智くん。

さっそくネックレスをつけてみる。


「やっぱすごい似合うよ!」


鏡で見てみると、確かにキラキラと首元で光るネックレスは俺によく似合ってる。














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