
嵐の俺と、パパの俺。
第2章 なにがどうなって
「翔くん今日お弁当忘れてったでしょ?だから届けに行ったんだ、そんでそん時に松下さんに会った」
智くん弁当届けるためにわざわざ会社まで来てくれたんだ!
感動!
ってあれ??
「まって、俺弁当もらってないけど」
俺のもとに智くんが持ってきたはずの弁当は届いていない。
じゃあ一体どこへ?
「あーうん。ニノが食べちゃったから」
困ったように笑う智くん。
え?ニノが?
絶対許さん!!俺の弁当を俺の許可なく勝手に食べるだなんて!
1人で勝手にニノへの怒りを燃やしていると。
「でも翔くんは松下さんの手作り弁当食べたんでしょ?おいしかった?」
頬杖しながらニコニコした顔で聞いてくる智くん。どす黒いオーラめちゃくちゃ漂ってますが。
こ、こわいって。
「ま、まさか!智くんの料理に比べたらまずかったよ!食えたもんじゃなかった!」
ごめん松下さん。
でもここまで言わないと許して貰えない気がして。
「へえ?そのくせしてこれから毎日作ってもらうんでしょ?翔くんがうらやましいなあ」
智くん、最後のほう完全に棒読みですが。
相変わらずどす黒いオーラを身にまとったままの智くんに、慌てて首をふった。
「た、たしかにそういうことになっちゃったけど、けど!俺は智くんのお弁当以外は食べないから!!」
必死になってる俺。
いつだって智くんには敵わない。
むこうの世界でも。
「今度俺以外のお弁当食べたらその時は離婚だから。」
勝ち誇ったような笑顔を見せた智くん。
り、離婚って!
目を丸くして驚いている俺を余所に、智くんは忠と楽しそうに話し始めた。
