
嵐の俺と、パパの俺。
第2章 なにがどうなって
「翔くんや忠を栄養失調にさせちゃうかもしれない。」
ん?
え?
「え、え、栄養失調?!」
なんでそうなるんだ??
「だって俺の料理は、偏ってばっかで栄養バランスが悪いって!だから最近翔くんの顔色悪いって言われた!」
おいおい、顔色悪いだなんて失礼な。
これはたぶん嵐としての時の俺が疲れすぎてるせいな気が。
そ、れ、に!!
「智くんの料理は偏ってなんかないよ!むしろ栄養バランスは完璧!今日の朝食見てびっくりしたよ!あーもう、向こうの智くんにも見習ってほしいなぁ」
「向こうの智くん??」
しまった。
俺は余計なことを!
「あ、いやなんでもない。それより、智くんの料理のせいで栄養失調になるなんて、俺がアメリカの大統領になるのと同じくらいあり得ないね!」
捲し立てた俺に智くんは少し驚きながらも、ありがとうと言って笑った。
「ところでそんなこと言ったやつどこのどいつ?」
俺が蹴っ飛ばしてきてやる!!
「あーー、翔くんの知ってる人」
いうか言わないか迷ってる智くん。
俺の知ってる人?
この世界で俺が知ってる人で、智くんにそんなこと言いそうなのは、
「わかった!ニノだな!あいつはすぐ毒はくからなぁ!懲らしめてきてやる!」
席を立った俺を智くんは慌てて止めた。
「ち、ちがうよ。ニノじゃなくて、翔くんの部下の人だよ」
え?俺の部下?
いっぱいいるけど、今日名前を覚えた部下は
「松下さん??」
その名前に智くんは小さく頷いた。
ええっ!
なんで松下さんが?
いやたしかに、智くんは前俺と同じ職場で働いていたはずだから、松下さんと接点があってもおかしくないけれど。
「え?今日会ったの?」
また小さく頷いた智くん。
えー!いつの間に!
