
嵐の俺と、パパの俺。
第2章 なにがどうなって
「智、どうしてここに?てか酷い汗、どうしたんですか?」
ニノが心配そうに顔をのぞく。
震えは少しずつ収まって、
ニノに言われるがたまに椅子に腰を掛けた。
「心配かけてごめん」
でも正直ニノが来てくれて助かった。
「いや別に大丈夫ですけど、てかそれ、もしかして翔さんの弁当?」
手にしていた弁当袋をみたニノが聞いてきた。
「まあね、でもいいや、ニノ食べる?」
精一杯の笑顔、でもニノにはばれちゃうんだ。
「あの女、また智にひどいことを?」
一度だけ、ニノに見られたことがある。
俺が翔くんからもらったネックレスを、無理やり取られ、屋上から投げ捨てられた現場を。
あの時ニノはすごいキレて、あの女クビにしてやる!と言っていたが、あまり事を荒立てたくなかったのと、どうせもうすぐ俺は辞めるのだからと耐えた。
「い、いいんだ。気にしないで。」
俺の言葉にニノは不満気な顔をしたが、
「じゃあ智の弁当は俺がいただきます」
弁当袋を手に取ると、嬉しそうに笑った。
