
嵐の俺と、パパの俺。
第2章 なにがどうなって
「翔くん、起きて!」
智くんの声が聞こえる。
薄っすらと目を開けると、そこには智くんの困った顔があった。
「ごめん、もう朝?俺仕事行かなきゃなんだよね?出版社だっけ?」
智くんに聞いているのに、彼は驚いた顔をしたままで、何も答えない。
「ん?なに?俺の顔になんかついてる?」
「そうじゃなくて」
じゃあなんだって言うんだ?
「今朝じゃなくて昼だし、翔くんの仕事は」
嵐じゃんってつぶやいた彼をマジマジと見た。
え?
どういうこと?
「櫻井さーん、大野さーん、対談はじめるのでそろそろ」
マネージャーの声がする。
見渡せば見慣れた楽屋で、
ニノが使ってたと思われるゲームが机の上に置いてあった。
「ごめん、俺夢見てた。」
すごく不思議な夢を。
「そうなの?びっくりしたよ。あ、ニノたち待たせてるし行こう。」
智くんが慌てて楽屋から出て行くので、俺もその背中を追いかけた。
彼の背中からは寂しさは伝わってこなくて、
ひどく不思議な夢をみたもんだと思った。
