
嵐の俺と、パパの俺。
第2章 なにがどうなって
「えっと、まさかとは思いますが」
寝室はここ、と言われ部屋に入ると、キングサイズのベットがひとつだけ置かれていた。
「ふ、ふたりでひとつのベットに寝るんですかね?」
「どう見てもそうに決まってんじゃん!大体翔くんがかったんだからね、これ!」
おい、まじかよ。
智くんと同じベットで寝れるなんて
願ったり叶ったりだけど、
絶対寝れない、むしろ目が冴える。
「お、俺今日ソファーで寝よっかな」
「風邪ひくからだめ」
先に布団に包まった智くんが、早く来て、と急かしている。
た、耐えろ櫻井翔!
背を向けて寝れば心配ないじゃないか!
恐る恐るベットの布団に入ると、智くんの手が伸びてきて、俺の手を握った。
えーまさか手を繋いで寝る気?
絶対緊張して寝れないよ俺!
「んふふ、今日の翔くんなんか焦ってておもしれぇ」
そりゃあ、智くんとこんなにも急接近するなんて焦るわ!
もう寝ようと智くんから背を向けようとした時、
「翔くん、今日はシナイの?」
智くんから思わぬ発言が飛び出て
俺の頭の中は、大パニックだ。
そうか俺と智くんは結婚してるわけでそういう行為はしていてもおかしくないわけでてか今日はシナイの?って今日はっておいまさか毎日してるのか?うそだろでもヤるってどうやればいいんだろう俺ら男同士だしやり方もちがうかもしれ
「なんて冗談だよ、おやすみ」
そう言って背を向けた智くんは、わずか3秒で眠りについてしまった。
どこか寂しそうな智くんの背中。
そりゃそうだ。
いくら記憶がないとはいえ
愛している相手から行為を拒絶されるのは。
誰だって辛いに決まってる。
ごめん、智くん。
でももう少しだけ時間頂戴。
俺は自信がほしいんだ、智くんを愛せる自信が。
明日謝ろう、
俺は智くんの背中を見つめ、そっと目を閉じた。
