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出逢いは最悪だったけれど。

第2章 問題児、大野


朝会が終わり、301から出てきた松岡先生を呼び止めた。


「あ?なんだ?告白なら放課後にしてくれ」

この人はばかなのか?

「つまらない冗談はやめてください。それより」

大野智っていう生徒をご存知ですか?

とたずねると、松岡先生の顔色が少し変わった気がした。



「あぁ、大野か。あいつは教室には来ないよ」

放っておけ、松岡先生はそう言うが、担任として放っておくわけにはかない。

「屋上いるんですよね?話し聞いてきます」


もしかしたらなにか嫌なことがあって教室に来たくないのかもしれない。だったらその問題を解決するのが担任の役目だ。


「やめておけ。大野はお前みたいなイケメンが大好きだ、喰われるぞ?」

松岡は真剣な顔してこちらを見ている。が、

「はあ?くだらないこと言うのやめてください。」


言っていることがとてもくだらなすぎる。

喰われる?馬鹿馬鹿しい。

冗談はやめてほしい、

こっちは真剣なんだから。


「....冗談を言ったつもりはないんだが」


松岡先生がそう小さく呟いた気がしたが、俺は無視してそのまま屋上に向かった。

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