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10年恋

第7章 第七章

智side



まさかはぐれてしまうなんて。


ちょっと目を離した瞬間だった。


気づいたら傍にいたはずの潤はいなくて、


まわりは知らない顔であふれている。



「まいったなぁ」


とりあえず電話してみよう、
と思ったが


「そうだ、携帯松潤に預けたんだった」




荷物は俺が持つといった潤に預けたことを思いだした。



どうしようかと頭を悩ませていると、遠くに見知った顔が二つ。


嬉しくなって思わず駆け寄ろうとしたが、


翔くんとニノがあまりにも幸せそうな表情をしていたから、躊躇してしまった。


そうだ、付き合ってる二人の邪魔、できるわけ・・・・


二人は金魚すくいを終え、少し人気のないところへ移動していた。



そして


翔くんが顔を近づけニノにキスをした。



俺は二人から目を離し、走り出していた。


どこへ向かっているか、

そんなことどうでもよかった。


これ以上見たくなかったんだ、

あの光景を。

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