
10年恋
第7章 第七章
たこ焼き
焼きそば
わたあめ
タイ焼き
相葉は食べ物の屋台にしか興味を示さず、おかげですでにお腹はいっぱいだ。
二宮は慣れているのか、華麗に断っている。
「相葉、もうこのへんにしておこう」
「えーなに言ってんの翔ちゃん!まだリンゴ飴食べてないよ!」
もう勝手にしろ。
リンゴ飴探してくる!と言った相葉を無視して、二宮を金魚すくいに誘った。
「せっかくですから勝負しましょうよ」
「勝負?」
「ええ、負けた方が勝った方の言うこと聞く、どうです?」
まあたしかにそっちの方がやりがいあるかも。
「いいよ」
もし俺が勝ったら、二宮は相葉と二人きりで花火見て来い!って言ってやろ。
なんて思ったのもつかの間
「あーーーーーーー破れた」
「でかい金魚狙いすぎです」
俺はあっけなく負けてしまった。
器用な二宮は、見事3匹の金魚をゲット。智くんにあげるそうだ。
「それじゃ俺は二宮の言うことなんでも聞きますよー」
「めちゃくちゃいやそうっすね笑」
そりやぁ・・・・
まあ二宮だったら突拍子もないこと言わないだろうけどさ。
「キス、してください」
「え?」
キス?
「だからキス!もし翔さんがキスしてくれたら、ちゃんと忘れられそうな気がするんです。」
そうだ
あれからいつも通りに二宮は接してくるもんだから、
二宮はもう吹っ切れているもんだと思っていた。
「ほんとに、忘れられる?」
だけど
そんなすぐに吹っ切れるほど好きっていう気持ちは単純じゃなくて
「ええ」
その気持ちは俺もよくわかるから。
目を閉じた二宮の唇にそっとキスした。
