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10年恋

第7章 第七章


翔side


智くんの誤解をとくために、

その話は何度も切り出してはいるが、

いつもなにかと邪魔が入り、


今もなお、彼は大きな誤解をしたままだ。


そしてやってきてしまった。


地域のお祭りが。



相葉から浴衣を着てくるように言われ、いざ着てきたものの


「翔さんって浴衣着るとよりいっそうなで肩ですね」



4人は俺を見るなり爆笑し、相葉にいたっては、翔ちゃんなんで浴衣着ちゃったの、なんて言いやがる。


相葉あとで覚えてろよー!!



「にしても、智はすっげぇ浴衣にあうな」


松本の言葉に反応し、智くんを見ると、浴衣を上手に着こなした彼が恥ずかしそうに立っていた。


「智はどんな浴衣でも似合いますもんね、去年なんか俺の姉の着てたし」


え!それって女性ものの浴衣ってこと?


それちょーーーーー絶
見たかったんですけど!!!!


「まあ、悪いけど今年は俺が浴衣姿の智を独占させていただくわ」


「どうぞ」


二宮が返事をすると、松本は智くんの腕をひいて、人ごみのなかへ
消えていった。


え?消え?


「え、じゃあ俺と二宮と相葉でってこと?」


「まあそうなりますね、当然じゃないですか、二人は付き合ってんだし」



まあそりゃそうなんだけど

そうなんだけど


智くんとお祭り楽しみたかったな。



明らかにテンションがた落ちの俺をみて二宮がため息をついたが、なにも言わなかった。







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