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10年恋

第1章 第一章



「俺への好きはLOVEのほうだもんな」


潤が耳元で囁く。
低く甘いその声に、ドキドキが止まらない。顔は真っ赤だ、間違いなく。


「ちょっとーーーー!!朝からラブラブするの禁止!目のやり場に困るんだからさあ!!」


元気で大きい声が聞こえたかと思ったら、すごい勢いで引きはがされた。相葉ちゃんだ。今日はめずらしく遅刻じゃないみたいだ。



「あ?せっかくラブラブしてたのに引きはがすなよ」


潤は不機嫌な表情で相葉ちゃんを見た。

「だってだって、ふたりばっかラブラブしてるのはずるいよ!!」

相葉ちゃんも負けじと潤に立ち向かう。このふたり、よくケンカするけど、なんだかんだ仲がよい。それがちょっとうらやましかったりする。



「はいはい、喧嘩はおしまい!やるならあんたらの教室に戻ってからにしなさい!」


ニノが二人を追い出す。
このとき、ニノが寂しそうな俺の横顔をジッと見ていたことには気づかなかった。


潤は去り際、振り返ってこちらに手を振った。

「じゃ、また後でな」


去り際まで絵になる潤は、ほんとうにイケメンだ。
くすっと笑った俺の横顔をみて、ニノが呆れていたことだって知らない。

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