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10年恋

第6章 第六章



突然背後から強く抱きしめられて苦しい。


振り返らなくてもわかる、
俺の好きな人。


「あー充電充電」


そーいや最近会ってなかったなー


たまには甘えても、いいかな?


「潤、今日の放課後あいてる?」


チラリと上目遣いで潤をみると、
申し訳なさそうな顔をした潤がいた。


「わるい、放課後学級委員の集まりがあるんだ」


わかってる。
文化祭に向けていそがしい時期だし、
仕方ないじゃん。


そう自分に言い聞かせるしかなくて。


「そっか。がんばってね」


ただ見守ることしかできなくて。



このとき、相葉ちゃんが複雑そうな表情で見つめていたことは、潤も俺も気付かなかった。







結局、ニノと翔くんは授業が始まる30秒前に雪崩れ込むように教室に入ってきた。


「あっっぶねーぎりセーフ!」


「あーもう翔さんのせいでむだに体力ちかったわ」



ふたりは笑っていて、
その様子はまるで


「かっぷる」



このつぶやきはチャイムの音でかき消された。
���俺のえ

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