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10年恋

第5章 第五章

智side


夕食の支度をしていたら、

突然インターホンがなった。


だれだろう?


とドアを開ければ、うつむいたままのニノが立っていた。


「え、どうしたの?」


こんな時間にニノが来ることは珍しい。それにいつも事前に連絡をくれるのに。


「ちょっと、お邪魔しますね」

顔をあげたニノの表情は今にも泣きだしそうなもので、それに動揺しながら、ニノを部屋にいれた。


「お腹減ってる?夕飯食べてく?」


どうしよう

あんなニノひさびさびみた


なんて声をかけたらいいかわからなくて、


何も気づいていないふりをした。


「食べない」


俯いたままのニノの表情がわからない。

何も言えなくて

沈黙だけが続く。


なんだかいたたまれなくなって、
とりあえずお茶でも用意しようとたちあがったときだった、


「告白、したんです」


ニノから思いがけない言葉が聞こえたのは。


告白?

だれに?


「翔さんに、告白しました」


翔くんに?


なんだか訳がわからなくて

何も言葉が浮いてこない。

ポカンと開いた口が塞がらないとはこのことかもしれない。


「智、聞いてます?」

顔を上げたニノ、

おおきな瞳は悲しみと不安で揺れている。

「う、うん」

ニノが翔くんに告白?

ニノは翔くんがすきだったの?

あんなに一緒にいたのに

気付かなかった、、、


というか。

なんだろう、この複雑な気持ちは。

言葉に言い表せないような。


「知りたいです?告白した結果」



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