
10年恋
第4章 第四章
翔くんの気持ちは分かる。
俺もずっと潤に片想いしてた。
潤は女の子にモテる。
だから潤にはいつも彼女という存在がいた。
俺の片想いをずっと応援してくれたニノは、
告ればいいのにって、
でも怖かったんだ。
振られることも、
親友という関係が終わってしまうことも。
叶わないと思っていた、ずっと。
でも、
「勇気をもって頑張れば、叶うかもよ」
叶うかもしれないのだ。
俺の言葉に翔くんは寂しそうに笑った。
翔くんの好きな人が誰かは分からない。
でも諦めないでほしい。
諦めたら絶対後悔するよ。
観覧車から降りたときには、もう夕日は完全に沈みかけていた。
そろそろ帰ろうか、と翔くんが呟く。
相葉ちゃんとニノは二人で楽しんでるだろうから、探さないで置いてかえることにした。
一応、ニノにメールをいれておく。
「楽しかったね!」
翔くんにはいろいろ無理させた気がするけど。
「うん、遊園地久々に来たけど」
やっぱジェットコースターは怖い、って言う翔くんの表情かおもしろい。
「またジェットコースター乗ろうね」
「え、それはマジ勘弁して」
また翔くんとふたりきりで遊べたらなぁ、なんて思いながら、
ジェットコースターに拒否反応を示す翔くんがおもしろくて、
笑いが止まらなかった。
