
10年恋
第3章 第三章
なんで
相葉が知ってるんだ?
まさか二宮が?
「だって翔ちゃん、大ちゃん見る目が違うっていうか、愛おしい目でいつも見てるじゃん」
まあ本人は気づいてないとおもうけど、と相葉は付け加えた。
「う、そんなことは・・」
だめだ
目の前の相葉の目は恐ろしいくらいにキラキラ輝いている。
否定したところで意味がない気がする。
相葉は恋愛に関しては敏感な人間だった。
「じゃあ、叶わないってのは?俺はともかく、相葉の恋は叶うかもしれないだろ」
二宮には恋人はいないはずだ。
「むりだよ、ニノには好きな人がいるんだ。」
相葉は悲しそうな表情を見せた。
二宮って好きなひといるんだ。
でもさ
「その好きな人って、相葉のことかもじゃん」
その可能性は0じゃないはずだ。
「俺じゃないよ、だってニノ俺に恋愛相談してきたんだ。名前は教えてくれなかったけど。」
それにニノ、ノンケだから好きな人はきっと女の子だと思うなーって相葉は苦笑しながら言った。
でも
ニノの好きな人が相葉じゃない可能性は0ではないと思う。
だから
「あきらめんなよ」
俺の言葉に相葉は少し驚いていた。
「あきらめろって言われるかと思った」
飲み干したオレンジジュースのグラスを見つめながら相葉は言った。
「じゃあ、翔ちゃんもあきらめちゃだめだよ。翔ちゃんはまわりに気を遣いすぎ!たまには自分にわがままにいってもいんだよ?」
相葉は全部知っていたのか。
俺があきらめていたことも
自分の気持ちを抑えていれば
平和であると信じ続けていたことも
いや
似たような境遇だからわかるのかもしれない。
「よおし!頑張るぞ!!」
相葉の声が喫茶店に響いた。
