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10年恋

第3章 第三章

智side



幼馴染のニノ、相葉ちゃん、潤

いつも4人一緒だった。

そして東京からやって来た翔くん。

頭が良くて

イケメンで

とっても爽やか。

誰にでも気遣いのできる翔くんは

すっかり俺らに溶け込んだ。


相葉ちゃんは翔くんとファッションの話で盛り上がり、よく一緒に買い物に行くらしい。そういえばこの間相葉ちゃんが嬉しそうにその時のことを教えてくれた。


もともと人懐こいニノも、すっかり翔くんに懐いて、よく勉強を教えてもらってるらしい。この間の数学のテストも翔くんのおかげで90点取れたと、ニノにしては珍しく嬉しそうに自慢してきた。



潤は翔くんと音楽の趣味が合うらしく、今度一緒にライブに行くと言っていた。そして翔くんの人柄に惹かれ、次期会長に翔くんを推しているのも潤だ。翔くんは断ってるらしいが。


そして俺はというと、

たしかに翔くんと話すことは多かった。俺のくだらない話をいつも笑って聞いてくれる翔くん。
授業中に当てられて、わからない時答えをそっと教えてくれる。

だけど、
翔くんと二人きりになることはほとんどなかったし、
プライベートで遊ぶこともなかった。


俺は知らなかった。

翔くんが意図的にそうしていたことに。


だからとっても悲しかったんだ。

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