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泣かぬ鼠が身を焦がす

第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)


すると明らかに目を輝かせた三村様が


「はい!」


と私の目の前、先程まで三村様が座っていらっしゃった地面に正座で座られました


座りなさい、と言うのはそこにではなく私の隣にという意味だったのですが……


今更否定するのも憚られ、とにかくそれより優先して片付けなければならない事を片付けてしまわなければ、と考え直します


さて、三村様の申し出をどう対処するべきでしょうか

こう言った場合の対処の仕方で私の頭に浮かぶのは2パターン

1つは、酷いと言われようと辛辣な言葉で傷つけ、2度と私に近づけないようにする

もう1つは、受け入れたように見せて良い頃合いで別れを告げる


どちらかと言わずとも揉めないのは後者の方ですよね

それに三村様は今大事なプロジェクトを進めている取引先の方であり、無下に扱うことは出来ません

ということは、後者……でしょうか

私には務まらないほどの大役であると思いますが
仕方ありません


「……三村様」


私がそうお声をお掛けすると、三村様は請うような目で頭を左右に勢いよく振りました


……そうでした
これにも、付き合って差し上げなければいけませんよね

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