
泣かぬ鼠が身を焦がす
第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)
私は小さく咳払いをして
「……三村」
とお呼びしました
するとまた嬉しそうな顔で三村様は「はい!」と返事をされます
その姿が妙に愛らしく見えてしまったのは、私が今からすることへの緊張からでしょうか
「貴方を、私の奴隷として受け入れます」
「!!!」
私がそう告げると三村様は心底嬉しそうな顔をされます
尻尾があったとするなら、きっと千切れんばかりに振られているでしょうね
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
ですが
「私にはこのような経験は初めてで、何をすれば良いのかわかりません。貴方が教えてください」
本当にわからないことばかりですので
それにこうして欲求を満たして差し上げれば、目も覚めることでしょうから
やはりこのような男性があのような事を、というのはどうにも違和感がありますしね
私の言葉に、三村様は恥ずかしそうに俯いてもじもじとされました
「そんな……俺の、希望通りになんて……いいんですか……?」
「? えぇ。わからないことには、私も何も出来ませんから」
すると三村様は突然立ち上がり、私の手を引きました
「じゃあ、こっち……来てください……」
