泣かぬ鼠が身を焦がす
第37章 好いた鼠は泣いても連れる
「ほら純、乾杯しよう」
「……うん」
目に滲んでた涙を指先で拭って拓真さんがしてるように俺も机の上のシャンパングラスを手に取る
「俺と純の今日までの5年間とこれからに、乾杯」
「乾杯!」
拓真さんの言葉と共にグラスを合わせて、俺たちは笑いあった
ベッドの横に置いてあるノートには、今日までの5年間にお互いが書いたたくさんの意見や不満が書かれている
俺がそれまでは言いたくても言えなかったこととかも、全部
そして、その溜まりに溜まった不満や意見が書かれたノートの1番最初のページの1番上
ノートを貰った時に最初に書いた言葉
拓真さん以外の誰にも見れないそこに書いた俺の昔の思いは、今も変わらない
好き
俺はもう、自分の気持ちも素直に鳴けなかった哀れで汚い鼠なんかじゃない
言いたいことも伝えたいこともちゃんと拓真さんに伝えられるようになったんだ
拓真さん
今までも、これからも
ずっと大好きだよ
だからこれから先俺たちにどんなことがあっても
また俺が何かに泣くことがあっても
ずっとずっと、拓真さんの隣にいさせて
一生連れ添う拓真さんのパートナーとして
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