
泣かぬ鼠が身を焦がす
第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)
「あの時の告白は、嘘でした……だから今もう1度本当の告白をさせて下さい。貴方様を心から愛しています。俺なんかを愛して下さいとは言いませんから……だから……」
俺を貴方様の奴隷にして下さい、と三村様は先程の言葉を繰り返されます
膝の上に座られ、完全に身動きの取れなくなった私はどうしたらよいのかわからなくなってしまいました
このような経験、私の人生にはごさいません
いえ、恐らく他の方でもないと信じています
私はとにかく三村様に落ち着いて頂こうと考え
「三村様、1度落ち着いてせめて隣にお座りになって下さい」
と申し上げました
しかしそう言った直後三村様が私の言葉に過剰に反応されます
「俺なんかに「様」を付けて呼ばないで下さい!! 呼び捨てに……して……欲しいです……それに、言葉遣いも……ちゃんと、命令して下さい……」
そう言って私を見つめる姿はしつこいようですが子犬のようで
更にこれもしつこいようですが、精悍な大人の男性が子犬になっている姿というのはなんだか不思議な気持ちがいたします
しかし今の私にはそのようなことを考えるよりも異常に近い身体を離して頂くのが先決です
私は失礼を承知で
「三村、ちゃんと座りなさい」
と言いつけました
