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泣かぬ鼠が身を焦がす

第32章 愛してその醜を忘るる


やめろ、って意味だろうから話す気になったのかな


俺が揺らすのをやめると、拓真さんの顔が近づいてきた


え、キス……!?
急に……!?


俺が身構えると拓真さんはキスをするんじゃなくておでこをコツン、と合わせてきた


な、んだ……


ホッとしたようなちょっと残念なような
複雑な気持ちを抱えながら


「どうしたの?」


と拓真さんにたずねる

すると


「……あんまり言うな」


と言われた


「……?」


何を?


完全に拓真さんの言葉の意味を理解できない俺は素直に拓真さんに聞いた


「何を?」
「……」


ちょっと困った様子の拓真さん


なんだよ
俺の馬鹿さとか今はどうでもいいだろ

言葉足らずな拓真さんが悪いぞ


俺が自分が責められることを拒むように視線を強めると拓真さんがため息をつく


「…………1人で、とか……あんまり人に見られていいものじゃないだろう……」
「!」


それ、って
拓真さん俺にオナニー見られたのが恥ずかしかったってこと……?


目の前にある拓真さんの顔の色が、暗い室内じゃなわからない


絶対真っ赤になってるのに、なんで部屋がこんな暗いんだ!!
ベッドに入る前に聞いとけば良かった!!!!

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