
泣かぬ鼠が身を焦がす
第25章 合縁奇縁
俺は立ち上がって叫んだ
「お前が俺に言ったんだろうが!!!! 俺の言うことなんてなに1つ聞かずに!!! あの時!!!!」
頭に浮かぶのは
あいつとの関係が、母さんにバレた時
あの時
『こ、これは……!!! こいつが、そうだ……こいつが強請るから、仕方なく抱いてやったんだ!!!』
『純……本当、なの……!?』
『!?!? 違う!!! 母さん違うよ!!! 俺はーーー』
『気持ち悪い!!! 近付かないで!!!!』
『!!』
俺の胃がぐぅ、と刺激されて吐きそうになった
「お前が俺に気持ち悪いって言ったんだろうが!!!!」
母さんの顔が、怒りから驚きにまた変わった
なんだよ、その顔
なんだよ!!!!
尚も叫ぼうとした俺を、拓真さんが落ち着くように促して座らせた
「……やはり貴方には、親の資格はないようですね。純は渡せません」
冷静に伝えた拓真さんの言葉に、母さんは涙を流し始めた
「!」
「純……違うの……私は……あの時、驚いてしまっただけなのよ……」
「…………驚いたら人に何でも言っていいのか? そんなわけねぇだろ。ふざけんな」
「ごめんなさい……許して……純……」
