
泣かぬ鼠が身を焦がす
第13章 正直の心より
「純、あと1つ聞いておきたいことがある」
きっとあのことだろうって予想は出来てたけど、あえて質問する
「なに?」
「前に1度とついさっき、どうしてあんなに何かに怯えているんだ? 何がお前に辛い思いをさせてる?」
やっぱり
気になるよね
それに俺も
ちゃんと話しておきたい
「ちゃんと話すよ。俺が本当はどこの人間で、なんでこんな生活をしてたのかってことも」
「それが、ああなってしまう原因なのか?」
「そう。俺が狂った原因でーーー」
「夢に魘される原因?」
「!」
気が付いてたのか
「悪い。ずっと気になってたんだ」
「……そう、あの夢も。ずっと俺の過去をリピートして見せられてるんだ。きっとすごいトラウマになってるからだと思う」
「……」
杉田さんと離れてたら何でか俺が消えて無くなってしまいそうで、不安で
とにかく力一杯杉田さんにくっついた
顔見てちゃんと話せない
弱虫でごめん
「話すよ」
「あぁ……」
鼻から深く息を吸って、吐く
大丈夫
大丈夫
俺は今、1人じゃないから
大丈夫
「……俺の苗字、間宮って聞いた事ない?」
「そうだな……今は思いつかないが……」
