
泣かぬ鼠が身を焦がす
第12章 盲目
杉田視点
あの時、路上で倒れたあいつを拾わなければ
俺の人生はどうだっただろう
目が醒めるほどの美人で
それなのに自覚してなくて
若いだろうにウリなんてやってて
突然人のモノ咥えるほど常識がなくて
寝れるなら誰でも良さそうで
でも、それら全てが
可愛くて
今までの俺の価値観は何だったのかと思うほどに、俺にとってのあいつの存在は眩しくて
痛い
ノラ、お前は俺を好きだって言ったけど
どこか信じられないのは何でなんだろうな?
暴力的に見えた前の男が現れたのに焦って俺に縋るためか、とか
待遇の良さか、とか
セックスか、とか
変な考えばかりが頭を巡る
俺はこれまで恋だ愛だなんてしたことがないから
わからない
この気持ちの名前が何なのか
これまでお前と寝た奴に嫉妬してる
お前に思ってもらえて嬉しいのに、喉につっかかって出てこない言葉がある
ノラが腕の中で安心した顔して寝てるのを撫でながら思う
俺は
「野良」なんて馬鹿な偽名を名乗るお前の本当の名前を、ちゃんと呼びたい
お前が怯えて、震えていた理由を知りたい
お前の人生を、ちゃんと背負いたいんだよ
でも、こんな考えは
お前には迷惑だろうか
あの時、路上で倒れたあいつを拾わなければ
俺の人生はどうだっただろう
目が醒めるほどの美人で
それなのに自覚してなくて
若いだろうにウリなんてやってて
突然人のモノ咥えるほど常識がなくて
寝れるなら誰でも良さそうで
でも、それら全てが
可愛くて
今までの俺の価値観は何だったのかと思うほどに、俺にとってのあいつの存在は眩しくて
痛い
ノラ、お前は俺を好きだって言ったけど
どこか信じられないのは何でなんだろうな?
暴力的に見えた前の男が現れたのに焦って俺に縋るためか、とか
待遇の良さか、とか
セックスか、とか
変な考えばかりが頭を巡る
俺はこれまで恋だ愛だなんてしたことがないから
わからない
この気持ちの名前が何なのか
これまでお前と寝た奴に嫉妬してる
お前に思ってもらえて嬉しいのに、喉につっかかって出てこない言葉がある
ノラが腕の中で安心した顔して寝てるのを撫でながら思う
俺は
「野良」なんて馬鹿な偽名を名乗るお前の本当の名前を、ちゃんと呼びたい
お前が怯えて、震えていた理由を知りたい
お前の人生を、ちゃんと背負いたいんだよ
でも、こんな考えは
お前には迷惑だろうか
